オヤジの心得かきくけこ(5)

悲しきかな温排スイ頼りの身…またしても出陣である。人気の碧南釣り広場、サクラは開花したけど、まだまだ寒いこの時期…でもアタリが出るからやめられない。しかし今日は良い天気…来客万来覚悟で夜明け前、早速に排水口へと歩を進める。土曜日なのに人少ないなぁ〜とは地元師の声、そりゃあ今朝の寒さは真冬並み。風もあって平素ならば耐え難い条件である。

これから満潮を迎えるこの時間、朝日が射す頃になるとアタリが出始める。小サッパがメインだが、中にはケッコウ型のイイやつも姿を見せてくれる。そのうちにグッとくるアタリに重みある引き、コノシロだ。投げたサビキ仕掛けを底擦りしつつ巻いてくると、やおら食ってくるから面白い。今日はコノシロDay か。ホンネはマイワシ本命なのだか、今回はムツカシイか知らん。などとひとりノタマワっていると、隣の地元師がマイワシを連発！さすがである。

しかも竿下で釣れてる？オレ…何のために投げ投げしているのかと疑問を感じ、必殺のべ竿に持ち替えてシコシコとサビサビすることに。そんなこんなで小カタクチの入れ食いを甘露甘露できましたが、群は定着せず、いつまでも入れ掛かりすることはなし。そして満潮時を迎えると、ピタッとアタリが止まった。

そーいえばマイワシは…釣れない…これでは声も出ない。ちなみに…か行の「こ」は「声を出す」の「こ」。挨拶も、仕事の合図も大きな声でやりとりしましょう。思ったことは声に出して言いましょうという内容。大きな声も時によりけりだが、それで失敗しても勉強すれば良いワケで、誰しも人生これからよ。そんな屁理屈を並べていると、ノベ竿がキュンキュンと悲鳴をあげた。勢い強いこの引きがタマリマせん！念願のマイワシをゲット、これで少しは気が和らいだ？

陽が昇るに連れ寒さも和らぎ、これに比例してか釣り人激増、碧南では致し方ない事実。これでは不得意なので朝10時には納竿、酒の肴はいたって確保できたしヨシである。

その翌日の日曜日、南風が出るとの予報に誘われ、暫し四日市港を訪問してみた。単なる優柔不断、時期早々だけど、もしやマイワシ…の期待もあり。釣り人もチラホラ見受けられるが、地元師は皆無の様子。南風だけど冷たい風、北向きに竿振りして寒さを避けたが、アタリもなく…やはりこれでは声も出ない…なぁ〜。

でも人気の少ない今日の釣り場、ここでおもむろに竿振りをするの図にて心は癒される。暖かさまでもう少しの辛抱か、ポカポカ陽気になったら存分に竿振りするが待ち遠しい。そりゃあ釣れるに越したことはないが、癒やし竿振りの楽しみは大きい。釣れましたゼィ！なんて、やはり大きな声を出せる心と環境って大事である。