釣名人

夏の夜の芝中に鳴く凄まじき虫の音の如く、ここンところの己れの耳鳴りはあまりにも酷く、悩まされ悩まされ続けている。根源は三年半前に喰らったオカマ掘りの追突事故、気にもならなかった耳鳴りがあの時から悪さを始めた。特に強く襲いかかってくるのが雨の日とココロ折れてる日。普段のクスリもこの時ばかりは効かずのシロモノ。もしやこれは物理的に故障しているのかもしれないが…いっ時通ったお医者からは「加齢ですね〜」となじられて、対策打てズのバンザイである。

その一方で「売り物」を作れと今のお仕事は難しい。そんじょそこらに転がっているモンじゃあないから、常に気に留めていないとアイデアもチャンスも遠慮なくスッ飛んでいく。それも耳鳴り地獄の一因なのかも。夜中にふとトイレに起きるが、コレもいけない。耳鳴りが気になりそこから寝られなくなってしまうのだ。これって睡眠障害？ブログ記事もそんな夜中に書いたりしているのでイケませんが、まぁ焦ることはない。そのまま寝床の中でジッとしていればいい。たとえ寝れなくともカラダは休まるハズだ、と気楽に考えている。

そんな中でもふと耳鳴りを忘れる瞬間がある。この時の状況心情真理を上手い具合にキャッチできれば占めたもの、それを常日頃再生していればいいんじゃないの、と考えているが、好調な時ほど不調を忘れてしまう悪癖は未だ人生のスジを読みきれない弱輩者の定めなのか。なにより打たれ弱い事がネックである。真に真面目を拭い去ることは出来ないのだろうか。もっとサボろう、そーすれば冴える機会も多くなる。

閑話休題、ここに釣名人がある。海外のギタリストたちが箱買いして帰るというこれは、彼らの爪割れ防止のためその補強材として使うらしい。まいどお世話になる釣りショップの隠れた逸品、自分にもそんな「売り物」が見つかれば〆たもの。商売上がったりの今、思案に暮れる。